yumegakureblogの日記

日日是好日…のたりのたりかな

備後の国へ

ゴールデンウィークの最中に用事ができて、備後の国へと出かけることになった。新幹線で3時間半あまり。
 
かって、備後の国と呼ばれたのは、中国地方の一部で今の広島県東部になる。

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新幹線から降りて直ぐに見えるのが福山城

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駅の本当にそばにある観光地。あいにくの曇り☁️空で当日は午後より雨☔だった。
 

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常夜灯のある港町は鞆の浦
宮崎監督のポニョの映画のモデルとなった場所。
瀬戸内海での海上交通の要所であった。古くは、中国大陸や朝鮮半島への往来で使用され、江戸時代になると北海道を結ぶ北前船の港となった。

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常夜灯のそばに坂本龍馬関連を展示する蔵を改造した所があった。
龍馬が海援隊を率いていた頃、海援隊所属の(いろは丸)が沈没する事件があった。龍馬はいろは丸を沈没させた和歌山藩と交渉して、和解金を取ることに成功した。そのいろは丸が沈没した現場が、鞆の浦だった。
 

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☝️のようなものも展示されていた。
 
広島県といえば広島カープ👇️

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食べ物は広島風お好み焼き😋

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そして、デザートには

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蓋をあけると
 

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ゴロゴロ入ったはっさく…❗
 
全て、美味しく完食致しました😄

続紫野綺譚その1 [MURASAKINO]   招かざる客1

この話はバーチャル世界🌍️の
続き話になります。

         ☆     ☆    ☆


肝付太郎は
春菜からの鋭い質問を
受けたけれど、
何とか振り切って席を立つと
その場を足早に去った。

春菜との会話に
動揺していたのか
白百合サキから
入った連絡を
太郎は気付いていなかった。

直ぐに
サキからの伝言内容を
確認していると
更に
太郎の不安は大きくなった。

伝言には
こう記されていた。

今日、
朝から誰かに
ずーっと見張られている
ような感じがしているの。
お願いだから、
今日は
学校まで
迎えに来てくれないかしら❓️

直ぐさま
太郎はサキに折り返しの
連絡を入れた。

たまたま、
サキは休憩時間中だったようで
直ぐに電話に出れた。

太郎さん、
連絡メモ読んでくれた❓️

今から
そっちに向かうから…
理由はその時に聞くから…

太郎が返事をした。

ありがとう。
お願いします。
太郎さん、
忙しい所、ごめんなさいね。

サキの言葉を聞き、
これでは
下宿先に
寄っていくほどの
時間はないな、
そんな事を思いながら
太郎はバス停に歩いて行った。

それから
バスに乗ると
待ち合わせ場所の
三条京阪駅方面へ向かった。

待ち合わせ場所へは
少し早めに着いた。

その時、
ふと母親のユイの事が
頭に浮かんだ。

腕時計⌚型のコンピューターを
取り出して
ユイに電話をかけた。

あら、珍しい…❗
太郎から連絡が来るなんて、
何かあったの❓️
太郎…❗

実は、サキちゃんが
今日の朝から
誰かに見張られているような
感じがするので、
怖いから迎えに来て欲しい❗
って連絡があったんだ。

それで
今夜は下宿先に帰れるかどうか
わからないので
一応、連絡しておこうかな、
と思ったんだけど…

そこまで会話をした時に
太郎の目の前に
サキが現れた。

母さん、
サキちゃんが来たから
電話を切るね。

ちょっと、待ちなさい❗
太郎…
サキちゃんと代わって…
少し、
サキちゃんに話があるから…

目の前のサキに
ママがサキちゃんと
話がしたいんだって。

そう言いながら、
腕時計⌚型のコンピューターを
サキに手渡した。

こんにちは。
ユイさん、サキです。

そう言って二人は
少しばかり会話を始めた。

サキは
少し人通りの少ない場所へと
太郎を引っ張って行き、
辺りを見張っておいてね、
と言って、
話を続けた。

しばらく話をすると
それでは
また、あとでね、
さようなら。

そう言って電話を切ると
サキは太郎に時計型の
コンピューターを返した。

そして、
太郎の耳元に近づくと
なんかユイさんも
今日、私と同じような
感じがしたんだって。

えーっ❗、
と太郎が声を上げた。

家に帰って
もう一度、
ユイさんに
連絡入れるようにしたから…

太郎の動揺は
益々、激しさを増した。

サキばかりか
母親のユイまで
同じような目にあうとは…

サキに片方の腕を取られて
大原行きのバス停に
引っ張られて行きながら
太郎は考え込んでしまった。

やがて
来たバスに
二人は乗り込んで
大原へと向かった。

大原行きのバス停から
少し離れた場所で、
サキの様子を見張っている
男が
一人いた。

さすがに学校の校内までは
入ることは出来なかったが
それ以外は
ずーっと
サキとサキの周辺の様子を
探っていた。

二人がバスに乗り込むのを
見届けると
男は
タクシー乗り場へ向かった。

タクシーに乗り込むと
行く先は
大原の[美々白百合旅館]まで
と運転手に行き先を告げた。

タクシーは
山道に入る手前で二人の乗ったバスを追い抜いた。

京都市内を外れ山道に入ると
一気に風景が変わっていく。
華やいだ街の空気は無くなり、
のんびりとした田舎の風景に
移っていく。

やがて、
タクシーは
[美々白百合旅館]の
玄関先に停止した。

男は宿の中に入ると
カウンターへ
チェックインに向かった。

そこには
笑顔の
美々白百合旅館の女将が
おいでやす、
と挨拶をした。

チェックインを済ませると
部屋に案内された。

男が部屋に案内されている頃
太郎とサキは
大原に着いて
バスを降りていた。

サキは
大原に着くと
なんだかホッとした気分に
なっていた。

傍には
太郎もいるし、
朝から感じていた不安が
少し和らいできていた。

バスに乗り込んでから
席に着くと
太郎がサキの手を優しく
握ってくれていた。

それは
サキの不安を
取り除くというよりも
太郎の動揺を防ぐ効果の方が
大きかったのかも知れない。

バス停を降りてからも
ずーっと
手を握りあって
二人は歩いていた。

サキの住んでいる
[美々白百合旅館]までは
もう少し歩けば着く。

大原は
ゆっくりと
夕方の風景に
変わりつつあった。


          (つづく)


ここまで
長い文章を
読んで頂きまして
ありがとうございます。
m(_ _)m



















LBJ最終章🎆

天に地に




天に
空有り


空に
花火🎆有り








地に
花有り


花に
線香花火🎆有り










天に空
空に
もう一つ
LBJ
空有りて









地に花
花に
もう一つ
LBJ
花有りて



そして、
天と地に


空は
千変万化の
模様を成し


地は
千差万別の
花模様を成し



天と地の間に
八百万(やおよろず)
花火が
打ち上がる




全てが揃い
まさに
せつなの
百花繚乱💫











コードNO.
     💫 LBJーL2023219❌❌❌
           霧隠






たまや~ぁ✨









かぎや~ぁ…✨











ライブ(LINE BLOG)や~ぁ✨













これで
ホンマに
おわりや~ぁ
でぇ~❗❗








ぽつつんと
線香花火の
涙かな
                       ー富村波聴ー













※花火の写真、
  線香花火の写真は
  全てお借りしました。





最後に
このLBJ
主催者である
Roi ネココさん❗



LBJへの参加を
最初に私に促して頂いた
小夜風さん❗



それに
このLBJのイベントに
参加して頂いた
LINE BLOGの皆様方❗


沢山の楽しい機会を
与えて頂き
その度に
数々の
嬉しい思いをさせて
頂きまして
感謝致します。


本当に
ありがとうございました。
         m(_ _)m

             霧隠

淡青寒月



見上げれば
雲なき空は
淡青一色



天半ば
寒月一つ
揺らぎ無し



されど
北風吹きて
地も凍り
身も心も
吹き荒ぶ







[注]
淡青(たんせい)
荒ぶ(すさ)ぶ










こんな寒い日には
食べて満足
心も満足
はらこ飯😋



はらこ飯とは
炊き込みご飯の上に
鮭とイクラをのせた
宮城県の郷土料理
だそうな✨





おしまい。

夢酔双六 その2 [YUMEYOI] 儚い夢

服部半蔵の帰りを待っていた。

織田信長が本能寺で
襲撃を受けた時、
僅かな兵を伴って
家康は大阪の堺にいた。

ここに居たら危険だ、
そう考えた家康は岡崎へ
急ぎ帰ることにした。

しかし、
淀川沿いの街道を選べば、
明智側の兵に
捕まる恐れがあった。

その為に
山の中を通る裏道の
(伊賀越え)をすることにした。

家康を守る人数が余りにも
少ない為に
明智側の兵だけでなく
織田側の兵や
盗賊等にも
注意する必要があった。

たまたま、
この時に同伴していた
家来の一人に
伊賀の服部半蔵がいた。

半蔵は他の伊賀者と
連絡を取り合い、
家康の(伊賀越え)を
上手く
手助けしてくれたのだった。

そのお陰で
何とか岡崎城まで
無事に
家康は帰れた。

それから
家康は
信長の死後の
先が見えぬ為に
急いで自分の領内を
一層、堅固にしていた。

その矢先に
中国遠征にいたはずの秀吉が
信長の敵討(かたきうち)と称して
あっという間に
明智光秀を撃破してしまった。

信長の死後、
最大の課題は
誰が信長の築き上げた
織田家の権力を
引き継ぐのか❓️
ということだった。

その為に
織田家の重役家臣達が
清洲城に集まって
会議が行われた。

家康にとっても
この先々、
どうしていくかの
方向づけを行う為の
重要な案件であった。

その為に
その配下の者を使い
清洲城の情報を
集めていた。

(伊賀越え)以降、
家康は
多くの伊賀者を雇い入れた。

そして、
各種様々な情報収集を行い、
家康の方向性を決定する
重要な判断材料にしていた。

その半蔵からの報告を
家康は
まだか、まだかと
首を長くして
待っていた。

織田家臣軍団の中では
新参者であり、
その地位は後ろの方であった。

羽柴の姓は
家臣軍団の重鎮の名前から
拝借していたと云われている。

(羽)は、丹羽長秀
(柴)は、柴田勝家
二人共に
織田家臣軍の宿老であり、
重鎮であった。

新参で成り上がりの秀吉は
信長に可愛がられながらも
同僚からの妬みや嫉妬から
逃れる為に
ありとあらゆる事を利用した。

秀吉は
(ひとたらし)
だったと云われている。

人間という感情の生き物を
熟知しており、
自分の感情を人に見せる事なく
接することで、
相手を自分の範囲内へと
誘い込んでいた。

そして
一番早く
信長の敵討(かたきうち)を
行ったという
実績を携えて
信長の後継者選びの末席に
出ていた。

この会議の出席者は
柴田勝家(しばたかついえ)
丹羽長秀(にわながひで)
池田恒興(いけだつねおき)
羽柴秀吉(はしばひでよし)
の4名であった。

二、三日後の深夜。
半蔵が帰城したとの連絡が入り
家康は寝所から
起き出した。

家康が部屋に入ると
家臣の酒井忠次
半蔵が同席して待っていた。

結果はどうであった❓️

家康が尋ねた。

どうやら
信長公の嫡孫にあたる
三法師様を後継者とする
と決まったようでございます。

三法師は
確か
まだ、
二、三歳ぐらいであろう。

ということは、
誰が実権を持つのだ❓️

おそらく、
羽柴秀吉公だと思われます。

そう言うと
詳しく半蔵が会議の経過を
話始めた。

そして、
会議の最後に
秀吉公に抱えられた
三法師殿が
ビードロ細工の賽子🎲を
手に持って現れたそうです。

この賽子は
信長公が秀吉公に与えた
時の権力の委譲の証拠になる
のだそうです。

秀吉公は
この賽子を使って
三法師殿を
上手く手懐けたようでした。

織田家臣達が三法師殿に
一斉に頭を下げた時、
三法師の手から賽子が
板の間に転げ落ちて
涼しげな音色が鳴った。

それは
あたかも
天下は秀吉🎵
天下は秀吉🎵
と響き渡ったようにも
聞こえたらしい。

つまり
この賽子を持つ者こそが
信長公の意志を
継いで行く者である❗
ことが証明されたのです。

その話を聞き終わると
酒井忠次が呟くように言った。

おそらく、
羽柴公が便宜的に
考え出したことであろう。
 
中国攻めに向かう時に
信長公から頂いた
南蛮賽子🎲を上手く利用して
時の権力を
手に入れたつもり
なのでしょう。

わしも
いつかは
その南蛮賽子🎲とやらを
一度は
手に入れてみたいのぅ。

家康が口を開いた。

何をおしゃいますか❗
そのような
子供騙しのような手では
仮に
時の権力を手に入れたとしても
徳川家が
未来永劫といえるような
長続きは出来ませぬ❗

忠次が家康に苦言を述べた。

家康は苦笑いを
しながら言った。

つまりは
信長公の後は
羽柴秀吉に決まったか❗

秀吉となると
一筋縄ではいかず、
なかなか
手強い相手じゃのぅ。
忠次。

そして、
わしの番は
いつ
やって来るのかのぅ❓️
忠次。

暗い闇の中に
家康の声が溶け込んで言った。


関ヶ原の戦いが終わって
しばらく経った頃、
服部半蔵が久しぶりに
家康の前に現れた。

殿様❗
例の南蛮賽子🎲の居所が
分かりましたでございます。

最近、
不機嫌だった家康の顔が
珍しく笑った。

それで、何処にある❓️

どうやら
ご隠居された
中津にお住まいの黒田の殿様の
お手元にあるらしい、
との事でございます。

清正の
食わせ者の親父殿か❗

直ぐに
加藤清正をここへ呼べ❗

家康は傍にいた
酒井忠次に命じた。

家康の目が
一瞬、
光輝いたように見えた。


息子の清正から
中津で隠居した官兵衛の元へ
至急の手紙が届いた。

しかし、
官兵衛は
人集めに金を使った為に
手元にあった
数々の値打ち品を
既に
処分した後であった。

手紙の始めに
清正が
成果を上げた事が
家康に大変誉められたことが
書かれてあった。

官兵衛は読み終えると
返答の手紙を書き始めた。

貴方が
家康に右手を握られて
誉められていた時、
貴方の左手は
何をしていたのですか❓️

最初にという文章を入れた。

それから、
貴方からの問合せの
南蛮賽子🎲とやらは
既に
私の手元にはない❗

そんな重要な物とは知らず、
私には不必要な物だ❗
と判断して
既に処分してしまった❗

もし
それでも信用ならね❗
という疑いがあるのならば、
いつでも
此方へ来て探して行かれよ❗
そのように
家康殿に
お伝え下され。

と記載されていた。

清正が
その旨を家康に伝えた時に
家康は天を仰いで言った。

わしの手から
時の権力が
逃げって行ってしまったか❗

それを傍で聞いていた
家臣の酒井忠次
家康に
お恐れながらと口を出した。

そうではございません❗
もう少し、
時の権力を手に入れる為の
準備を怠るな❗
ということで
ごさいましょう❗

暫くして、

そうかも知れんのぅ。
あるいは、
そうではないかも知れん。

どちらにせよ、
全ては
ビードロ細工の
南蛮賽子🎲に託された
儚い(はかない)夢に
振り回されたようじゃのぅ。

しかし、
半蔵、
黒田の親父の所を含めて
もう一度、
探せるだけ探してみよ❗

蚊の泣くような声で
家康が呟いた。


時の権力の象徴と
語り継がれていた
南蛮賽子🎲は
薄暗い土蔵の中にあった。

埃を被って重ねられた
木箱の一つの中に
埋もれていた。

そして、
徳川幕府が出来る頃には
南蛮賽子🎲のことは
すっかり
世間からは
忘れ去られていた。




おしまい。




















夢酔双六その1 [YUMEYOI]南蛮賽子🎲


1759年、
織田信長安土城の天主の
築城祝いの前日に、
イエズス会の宣教師を
こっそりと城内へ招き入れた。

その時、
宣教師の持参した
築城のお祝品の中に
珍しい物を見つけた。

一見すると
ビードロ(ガラス)細工の
ようにも見えた。

信長が
それを持ち上げて見ると
透明の小さな立方体の中に
キラキラと光る物が
一つ入っていた。

不思議そうな顔をして
それを振ってみると
中から軽やかな音が聞こえた。

これはなんだ❓️

信長は宣教師に尋ねた。

これは
南蛮賽子(ナンバンサイコロ)と
呼ばれる物の一つですが、
大変珍しい物でございます。

ビードロで出来た賽子の中に
もう一つ小さな賽子が
入っているのでございます。

しかし、
賽子とは言っても
ビードロ細工の為に
賽の目は入っておりません。

その代わりに
賽子を振れば
軽やかな音色をたて
心を落ち着かせくれる
そうです。

中でも
極めて希に
振った賽子が
止まった時に
眩しく光輝く時が
あるそうです。

それは
最高の幸運を
招き入れた合図❗
になるそうです。

このような貴重な品物は
天下人となられるお人が
持たれるに相応しい物だと
思われます。

宣教師が信長に答えた。

そういうものか❗

信長は試しに賽子を
その場で振って転がしてみた。

確かに
軽やかな音は響いていたが
賽子が
光輝くことはなかった。



安土城築城のお祝いの日。

開門の前から
信長へのお祝いの数々の品物を
多くの人々に持たせて
並ばせていたのは、
家来の羽柴秀吉であった。

信長の命を受けての
毛利家のいる
中国攻めの最中であったが、
わざわざ、築城祝いに
駆けつけてきたのだった。

その列の長さは
安土城下まで
延々と連なっていたそうな。

安土城から
その光景を見た信長は
大笑いをしながら
猿め❗
やりょうるわい❗
と呟くと、
周りにいた家来衆に
お前達も
猿を見習え❗
と言った。

お祝品を全て届けてから
秀吉が安土城へ登城すると
直ぐに
信長から別室へ呼ばれた。

この頃になると
秀吉と言えども
簡単には信長に会うことは
出来なかった。

それだけ、
信長も多忙だ
というのもあったが、
信長の世話をしている
取巻き衆へも気を使わないと
信長には会えなかった。

信長は
すこぶる上機嫌であった。

その席で
秀吉は
是非、
殿様自らの陣頭指揮での
中国攻めをお願いした。

話を聞くと
信長は
ニタリと笑うと
ワシが行くまで、
これがワシだと思って
持っておれ❗

そう言うと
ビードロで出来た南蛮賽子を
秀吉に与えた。

これは
世の中に二つはない
珍しいものだそうだ❗

猿❗
その賽子を振ってみろ❗

秀吉が賽子を転がした。
軽やかな音が聞こえたが
何にも起こらなかった。

その様子を見て
こやつも
やはり
ワシと同じだ❗
と信長は心の中では
安堵した。

秀吉は大量のお祝品と
引き換えに
たった一つの南蛮賽子を
手に入れた。

しかし、
それは
信長の秀吉に対する
[信頼の証]
でもあった。



三年後。
備中高松城を水攻めしていた時に秀吉宛に早飛脚が届いた。

それは
信長が本能寺で死んだ❗
という知らせであった。

秀吉と同僚の
明智光秀に夜討ちされた
という驚くべき内容であった。

秀吉は錯乱した。

どうすれば良いのか
全く判断が
つかなかくなってしまった。

この様子を側で見ていた
軍師の黒田官兵衛
ボロボロと涙を流しながら
オタオタしている主人に
向かって言った。

殿様。
今こそ、
信長公に頂いた
南蛮賽子を振ってみては、
如何でしょうか❓️

信長公の意思が
賽の目に表れるかも
知れませぬぞ…❗

泣きじゃくりながら秀吉は
箱にしまっていた南蛮賽子を
取り出した。

そして、
南蛮賽子を
地面の上に転がした。

軽やかな音色を奏でると
南蛮賽子が止まった。

すると
今までに見た事のない
眩しいくらいの光を
出し始めた。

これには
進言した黒田官兵衛も驚いた。

そして、
黒田官兵衛が秀吉に
顔を向けると
その顔は喜びに満ち溢れた顔に
変わっていた。

しかし、
秀吉もそれに気付くと
一瞬でその喜びを顔から
消し去った。

官兵衛…❗
毛利との後始末は
お主に頼んだぞ❗

そう一言、
呟くと、

全軍❗
今より、
京へ向かう❗

と大声で指示を始めた。

後に
この動きは
[中国大返し]と云われた。

これにより、
明智光秀は秀吉に敗れ、
[三日天下]
に終わった。


秀吉は
その後、
何度か
南蛮賽子を振ってはみたが、
南蛮賽子が光輝くことは
二度となかった。

その内に
時間が過ぎると
南蛮賽子の存在さえ
忘れ去り、
秀吉は
自分の力だけで
天下人になった❗
と思うようになっていた。



秀吉の死後、
天下分け目の
起きる事になる。

その頃、
豊前中津で
既に隠居していた。

しかし、
その戦いの情報を入手した時、
財産を投げ打って兵を集め
九州の一部を平定し始めた。

そして、
その天下取りに
自分も
名乗りを上げようと思った。

その戦いの途中で
ふと昔の事を思い出した。

秀吉が忘れしまっていた
南蛮賽子を
こっそり持ち出して
自分の箱の中に
大事にしまっていたのだった。

そして、
官兵衛は
南蛮賽子を取り出すと
転がしてみた。

しかし、
かって秀吉が振って
光輝いた時と同じように
その南蛮賽子が
光輝くことはなかった。

それを見て
それ以上に
戦い続けることを止めた。

すぐさま兵を解散し、
再び、
静かに隠居生活を始めた。

南蛮賽子も
自分には不必要な物だ❗
と分かると
他の茶碗などと一緒に
兵を集めた資金に変える為に
手放した。

その時に官兵衛が呟いた。

所詮、
ワシの夢は夢止まり。
叶わね夢に
南蛮賽子は必要なし…。

その後、
南蛮賽子が
何処に行ったのかは
誰も知らない。

   
          おしまい。



































夢隠紫野 人物綴


[夢隠異聞]から
[紫野綺譚]に至るまで
長い物語となったので
登場人物が沢山出てきました。

登場人物の関係が
よく解らなくなったので
整理して欲しい✨
という依頼が
以前からありました。

話が完結したので
今回、
整理してみる事にしました😄

とりあえず
(あいうえお順)で記載します。

しかし、
こんなの
読んでくれる人いるのかなぁ❓️



        ★     ★     ★


[あ]行

⭐(足立ユイ)
砂風均(すなかぜひとし)の会社
[夢の宅急便 夢幻]の
事務&台本作者&役者 
を受持つたった一人の社員。

夢幻話が進行するに連れて
(狂言回し)の役割を
担っていく。

紫野話は
ユイの子供の太郎を中心に
展開される。

キャラクターと
一緒の名前だったというのを
失念していて
指摘されて初めて気付いた😵💧

⭐(天野フユ)=(菜子)
砂風均の養女。
施設に入っていたが
砂風に気に入れられて
養女となる。

戦国時代の(菜子)の魂が
(天野フユ)に宿っていた事から
物語の大筋が展開していく。

天野フユの名前は
足立ユイの名前が[あまちゃん]と
一緒だと指摘されて、
開き直ってこの名前を付けた。
[あまちゃん]のキャラクター、
天野春子、ナツ、アキと繰れば
当然次は
[フユ]となった😄

(菜子)の詳細については
別項目(菜子)で記載

⭐安奈わかば
精神科女医。
砂風均、柳田 準等の 
飲み仲間グループの一員。

菜子の担当医となり、
(菜子)と母親の(菜菜)の
精神分離を行う為に
苦心しながらも
治療に専念し
問題解決の糸口を探していく😃

⭐宇都宮銀太
若い時から
放浪癖のある自由人。
海外を一人旅をしたおかげで
英語は堪能。

海外旅行中、
[美々白百合旅館]の
先代女将 摩耶と出会う。
帰国後、京都旅行中に
大原の[美々白百合旅館]で
(高円寺直美)、(柳田 準)と出会い
意気投合してしまう。

最終的には
[美々白百合旅館]の
押しかけ従業員となり、
美人で名高い女将の(薫)と
結婚して主人におさまった😲

戦国時代の
伊賀忍者(銀平)の血筋を引く。

⭐大島さやか
絵画を見て
天野フユがみた夢と
同じような夢を見るが
最後までは到達しなかった。

天野フユと似たような
DNAを持ち合わせていたと 
考えられている。

[か行]
⭐肝付(きもつき)兼次郎
足立ユイの結婚相手。
太郎の父親。
鹿児島県で(肝付ファーム)を
経営している。

⭐肝付太郎
ユイの息子。
[紫野綺譚]の主人公。
(夢隠)に登場した人物の
子供達の話が(紫野)で展開。

京都の大学へ入学して
紫野大徳寺裏に下宿中。

母親の知り合いの
大原の[美々白百合旅館]で
次女のサキの進学の為の
家庭教師のバイトを始める。
やがて、
サキと恋仲となっていく。

[狗吠(くはい)の秘術]を操り 、
時空間移動する事が出来る
能力を持つ。

その能力を使って、
コロナ禍の
母親の若かった時代へ
旅立つ。

⭐肝付ユイ
足立ユイが鹿児島へ嫁いで
名前が変わった。

戦国武将真田幸村に仕えていた
[真田十勇士]の一人。
霧隠十蔵の伊賀忍者の師匠。

⭐霧隠真幸(さねゆき)
霧隠次郎と菜子の息子。
戦国武将の真田幸村から
名前を取って付けられた。

母親から教わった
(霧隠の術)を使いこなせる。
肝付太郎と一緒に
過去への旅に
出掛ける事になる。

⭐霧隠十蔵
伊賀流忍者。
霧隠才蔵の弟子。
菜菜の弟。
幼名は霧丸。

(才蔵)より才能が一つ劣ると
いう事から(十蔵)と名乗る。

京都の土御門家に奉仕していた実姉の
(菜菜)の願いを受けて、
娘の(菜子)を探し出し
弟子として育てる。

後世、
子孫の(竹中加留呂須)の
身体に甦り
菜子を助けていく。

⭐霧隠次郎
(竹中加留呂須)の親族。
現代復活を果たした時の
(菜子)の初恋相手。
真幸の父親。

しかし、
菜子がドイツへ帰国した
養父(砂風 均)の元へ行く事に
なり、その時に別れた。

後に、
blogの中で
偶然菜子と出会い、
結婚する。

⭐銀平
戦国時代の伊賀忍者
霧隠十蔵の近所に住んでいた。
妹は 美々。

十蔵と一緒に住んでいた
美々の友達の菜子と
恋仲となる。 
しかし、
豊臣方と徳川方の敵味方に
各々別れて戦う定めとなった。

最後は(那智の滝)へ菜子を
落として命を奪ってしまう。
通称 暗闇の銀平


⭐高円寺直美
正真正銘の
チャキチャキの江戸っ子。 

若い頃は
肩で風切る
キャリウーマンだった。
娘の蘭と暮らしている。

リフレッシュの為に訪れた
京都の[美々白百合旅館]で
(宇都宮銀太)と(柳田 準)
に出会い、
意気投合し、
人生で二回目の
モテ期が訪れた👀❗

その時の縁で、
後に(柳田 準 )と結婚する。
通称は(ねーさん)


[さ行]
豊臣方の武将。
旗印は六文銭
六文銭とは
(三途の川)の渡し賃の事。

秘密結社MNCからの刺客。
太郎と同じように
[狗吠の秘術]を使い、
時空間を移動する能力を持つ
太郎と真幸の敵として
二人に立ち塞がる。

⭐白百合 薫
京都 大原にある
[美々白百合旅館]の現女将。

戦国時代に
(ある待ち人)を待ち続ける為に
創設された旅館を守っていた。
この旅館に生まれた女系は
ある年齢になると
里を出ると他人の声が
聞こえてしまうという
能力を持つようになった。

当時は
病の一つと考えられていた。
里を離れるとコントロール
効かなる為に
大原の里から離れられず、
旅館の女将として
生きる事しか出来なかった。

後に
押しかけ従業員として来た
(宇都宮銀太)と結婚する。

⭐白百合サキ
銀太と薫の間に生まれた次女。
女子高校生。
受験の為に家庭教師として
太郎が教える事になる。

やがて
太郎と恋仲となる。

⭐白百合ユメ
銀太と薫の間に生まれた長女。
既に結婚して
大原を離れているが、
時々、
娘を連れて里帰りしてくる。
ユメの娘の子守りは
銀太と決まっている。

⭐白百合 摩耶
[美々白百合旅館]の先代の女将。
薫の母親。

女将を引退した後、
海外旅行中にトラブルが
発生した時に
宇都宮銀太に助けてもらう。

当時、独身であった
娘の薫と銀太に
言葉の魔法暗示をかけて、
二人をくっ付ける要因を
作り出した。

他界した後に居間に
写真として飾られているが、
時々、
この世に顔を出してくる。

⭐須藤奈緒
菜子の娘。
旧姓は直塚奈緒であったが、
嫁いで須藤奈緒となった。
娘に春菜がいる。

⭐須藤春菜
奈緒の娘。
真幸と殆ど一緒に育てられたが
真幸は叔父にあたる。

友達は殆ど居なかったが
大学へ入学してから
急に太郎へ接近していく。

テレポテーション(瞬間移動)の
能力を持っている。

⭐砂風 均(ひとし)
[(夢の宅配便)夢幻]の社長。
飲み友達に柳田 準、
女医の安奈わかば等がいる。

天野フユを養女にした事から
驚くべき事実が
次々と判明していく。

ドイツに残した母親の具合が
悪くなり、
コロナ禍が一段落した時に
ドイツに帰国した。
母親に養女の(フユ=菜子)を
見せたいが為、
養女をドイツへ
呼び寄せる事にした。

[た行]
⭐平 優香里
高円寺直美の友人。
通称 ぺーさん
同一人物が
二つの名前を持つ
不思議な現象が発生。


⭐竹中加留呂須
普通のサラリーマン。

菜子が危機に陥った時に
毎晩、
体内遺伝子が騒ぎ出して
先祖の霧隠十蔵が
身体に乗り移って出て来た。

精神科女医安奈の助けを
借りながら
菜子を救う為に
ユイと菜子の3人で
京都へ向かう。

[美々白百合旅館]の
代々の女将達が
長い間待ち続けた人は
(霧隠十蔵)その人であった。

最後に
菜菜と菜子の精神を
分離する為に
(晴明神社)へと向かう。

[な行]
⭐直塚奈緒
菜子の娘。
春菜の母親。
最初に結婚した時に
生まれた子供。

母親と
再婚相手の霧隠次郎を
結び付けたのは
裏での奈緒の力による部分が
大きかった。

母親の菜子が再婚して
真幸を生んだ翌年に
結婚して
娘の春菜を出産した。
通称 ナオナオ

⭐菜子(=天野フユ)
生れは戦国時代。
当時の身体は喪失したが、
精神は那智の滝壺の底で
漂い続けていた。
現代に至り、
DNAの中で生き伸びていた
菜子の精神が
フユの身体の中で甦った。

更に
母親の菜菜も存在していた為
菜子の精神を分離しないと
菜子の精神に異常を起こす事が分かった。

それを解決する為に
精神科女医の安奈先生が
診断していく。

菜子を救う為に
師匠の霧隠十蔵の精神も甦る。

更に
舞台を京都に移して
晴明神社において 
菜々と菜子の精神分離が
行なわれた。

夢隠の話は
数奇な運命を辿った
菜子の人生を追って
話が展開していく。

⭐菜菜
菜子の母親。
霧隠十蔵の姉。

京都の陰陽道
有名な(安倍晴明)に繋がる
(土御門家)へと
十蔵と共に奉公に上がり、
後に
二人の女の子を生んだ。

豊臣方と徳川方の戦いに
土御門家も巻き込まれ
菜菜は身を滅ぼされるが
魂は那智の滝に戻っていった。

二人の子供の行く末を
弟十蔵に頼んだが、
間に合わなかった。

しかし、
一人の子供は西国へ
逃げる事が出来た。

やがて
十蔵がもう一人の子供を
都で見つけ出して
伊賀の里に連れて帰った。
その子が菜子だった。

菜菜は子供が少なくとも
15才まで生き延びるようにと
陰陽道による術を
子供にかけていた。

この事が
[美々白百合旅館]の女将が
代々に渡って
(待ち人)を待ち続けた
鍵となった。

[は行]

⭐美々
伊賀の里で
霧隠十蔵の近くに住んでいた。
兄は銀平。
菜子が十蔵に引き取られ
伊賀の里へ来てからの友人。

豊臣方と徳川方が戦いを始める
以前に
忍者を辞めて京の都へ
嫁いでいった。

後に、兄銀平の依頼を受け
京の都の郊外で
白百合旅館を始めたが、
戦いが始まると戦火を逃れる為
大原の里へ移り
旅館業を続けた。

[美々白百合旅館]の(美々)は
初代の女将の名前から
取って付けられた。
大の猫好きで知られている。
通称 美々にゃん

[ま行]

⭐三田直次郎
本編には
三田直次郎としは
登場していない。
[紫野綺譚外伝]に登場。

幕末の薩摩藩士。
(狗吠の秘術)を使いこなす。
当時の薩摩藩島津斉彬から
西郷隆盛と協力し合い
難局を乗り切るように
命を受けていた。

秘密組織MNCの
刺客サンタナ
三田直次郎ではないか❓️
と憶測されているが
定かではない。


[や行]

⭐柳田 準
砂風 均の友人。
料理店を経営していたが、
コロナ禍で客足が途絶え、
店を廃業した。
その時の従業員の一人に
足立ユイがいた。

閉店後、
就職祝いのお礼に
京都旅行を
ユイからプレゼントとされた。
その旅行の最中に
高円寺直美と出会い、
後に結婚する事になる。
通称 ヤンさん


こんなんで
本当に
良いのでしょうか❓️


おしまい。