つれづれ散歩 8 スカイツリーの見える隅田川桜橋

(伊勢物語)中の(東下り)で在原業平が詠んだとされる句が

名にし負はば

いざ言問わむ都鳥

わが思ふ人はありやなしや

これを詠んだ場所が隅田川に架かる(桜橋)辺りとされている。

江戸時代の(今戸蓑輪浅草絵図)の中にもこの場所にわざわざ(都鳥ノ名所ナリ)と記載されている。

[奥浅草からの桜橋]

桜橋は、台東区の奥浅草と墨田区の向島を結んだ隅田川唯一の歩行者専用橋のである。

尚、上空から見るとXの型をしている不思議な橋でもある。

台東区側と墨田区側の両岸にあるそれぞれの隅田公園を繋いでいる。

写真で見るとよくわかるのだが、橋の途中から二股に道が別れている。

[向島から見た桜橋]

向島側は、墨堤通りの上が橋のたもとになっているというようなとても狭い空間で占められている。

橋と桜橋通りとは、落差が激しく、階段も険しくなっている。

その為、車が墨田区側から橋を通行しようとする事は不可能であった為に、歩行者専用の橋になったと考えられる。

しかし、それでもこの場所に橋を架けたのは、業平の詠んだ(言問の句)があったからだとこそだ思われる。

桜橋からの上流の(白鬚橋)方面。

右が東向島、左が橋場。

桜橋からの下流の(言問橋)方面。

右が浅草、左が向島。

言問橋の先に東武鉄道の鉄橋があり、東武電車が見える。

時には、東武特急スペーシアの姿も見えたりする。

今年は新型コロナの影響で無理でしたが、両岸に桜が咲きほこる時期にこの橋を訪れるのが最高に良いらしい。

更に、夏の隅田川の花火大会はこの傍で花火が打ち上げられる為に、橋や周辺は通行禁止になるらしい。

浅草からもスカイツリーからも少し離れてはいるけれど、散歩という一面からすれば、これ程(東京らしさ)を感じられる所は、なかなか探しても無いと思っているのは、私だけでしょうかね。

今では(都鳥)に変わり、常時(スカイツリー)が目の前に見えている場所になった。

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